旅に出たいはくと

また旅に出たくなる

back to 1997.初海外旅行のスケッチブック。バリ、バンコク。

(写ルンですで撮ったウブドのどこか)

旅のスケッチブック12月のバリ島とバンコク。蘇る記憶。

1997年12月、私は初めての海外旅行となるインドネシアのバリ島へと旅立った。

バリを選んだ理由はただ一つバリの芸能が見てみたいから!ただそれだけ。私は遺跡とかマリンスポーツなどにはあまり興味がないので、後は島を適当にぶらぶら出来たらそれで良かった。

 

(初バリ島、ウブドのホテル。名前は忘れた。写ルンですで撮影)

 

バリ島最初のお宿は一泊1万円もするラグジュアリーなホテルだった。

天蓋付きの大きなベッド、部屋の傍にはプールがあって朝食はプールサイドで食べるのだ。そして部屋のベランダから見えるのは大きな田んぼだけだった。

夜になると田んぼで鳴くカエルの声が聞こえて来て、それはまるでバリ舞踊のケチャの音色に似ているなと思った。

 

念願のバリ舞踊はウブド王宮で2回みた。レゴンとバロンダンスを見たのだけれど、初めて観るバリ舞踊はとても美しく妖艶だった。そしてバロンは可愛かった。

 

バリ舞踊以外ではガイド本に載っているいくつかの美術館や雑貨屋を巡り、夕方からはバリ島らしい開放的なカフェに入ってのんびりと過ごした。

私はアートや美術は大好きで画集を買ったり日曜美術館をたまに見たりもするのだけれど、美術館ではじっくりと眺める事が出来なかった。美術館に入りすぐに帰って来る私にバイクタクシーのお兄ちゃんはもう見終わったの?とでも言いたさそうな顔をして私を見た。

 

(ブランコ美術館で買ったカードに付いていた写真)

ウブドで有名なブランコ美術館でも行ってきた。

当時、ブランコ氏はご健在で私は運よく彼と話すことが出来た。彼は「マイケルも来たことがあるんだよ。今夜はここでパーティーをするからおいでね」と私に言った。

夜はあんまり一人で出歩きたくなかったので行かなかったけれど、少し後悔している。

バリのダリと呼ばれているらしい彼は、まぁ確かにアーティストのオーラを出しまくっていたように思う。

 

(クタでのお宿、バリのハードロックビーチクラブホテル)

三日ぐらい滞在したクタのホテルはハードロックビーチクラブだった。私はホテルに到着するまでそこはどれほどハードでロックなホテルなんだろう?と期待して行ったけれど、ぜんぜんハードでもロックでもなかった。私が選んだ部屋は「サイケデリックルーム」でジミヘンの大きな絵が部屋に掛かっているシンプルな部屋で、ジミヘンの絵以外は至って普通の部屋っだった。ちょっとがっかりしたのを覚えている。

 

クタでは屋台で髪を三つ編みにして貰ったり、ヘナタトゥーを入れたり、夜はフィリピン人が歌うビリヤード台があるライブハウスへ行った。

 

この旅での最高の思い出は、バリ島最後の夜にホテル近くのクラブで外国人旅行者達と知り合ったことだ。みんなバラバラで来ていてそこで知り合ったような感じだった。
その中の一人のアメリカ人女性が少し日本語を話せたおかげで私は彼らと仲良くなれた。彼女達との出会いには本当に感謝している。

彼らとバリ島という異国の地で片言の私の英語にも明るく答えてくれ、微笑みながら一緒に踊ったのだ。キラキラした時間だった。

 

そして、日本語が話せるアメリカ人女性から聞いた旅の話に私はとても興奮した。彼女は程よく安い宿に泊まり、宿の中にある共有スペースで世界中から集まった旅人らと日々交流していた。そこで色んな国の情報を得て安い航空券を手に入れたり、新しい宿の情報も得るのだそう。

私はというと一泊一万円もする建物内が広すぎてエントランスに出るのも面倒に思うようなホテルに泊まっていた。そんなホテル内では誰とも交流がなかった。

なので、バリ最後の夜に彼らと知り合った事は私にとっての大切な宝物となった。

 

写ルンですで撮影。トイカメラっぽい色に撮れた)

 

バリ島からガルーダエアラインに乗り、クタで編んで貰った三つ編みのヘアスタイルのまま私はバンコクに降り立った。それはそれは浮かれていた。バンコクで私はバイヨークスウィートの高層階に泊まった。部屋はとても広かったけれど、どこか野暮ったい雰囲気の部屋だった。確か35階ぐらいの部屋で窓からの眺めはとても良かった。

 

バンコクでの昼は寺院めぐりと市場巡りだった。ホテルのロビーにある観光パンフレットの中から5000円ぐらい(もっと安かったかも)のガイド付きタクシー観光ツアーを申し込んだ。私達はいくつかの寺院を巡り何故か宝石店へ連れて行かれた。勿論、買わなかったけれど。

夜はインドラリージェンシーのタイ舞踊付きディナーを予約した。私の周りはカップルだらけで、その中一人でタイ舞踊を観劇し夕飯を食べた。一人旅が一週間も過ぎるとたまには誰かと食事がしたいなと思うようになっていた。

 

別の日には一人で寺院へ行った。ガイド本でバスの乗り方を知ったとは思うのだけれど、行きは意外に簡単に行けたのだが、帰りはなかなかホテル近くまで行くバスを見つけられずにいた。不安になった私は色んな人に聞きながらホテル近くまで行くバスを教えて貰った。そして本当に目的地へ着くのだろうかとドキドキしながら夜のバスに乗り何とかホテルへと戻った。不安になったけれども、私がガイド本の地図を広げる度にタイの人達が「どこへ行くの?」と声をかけてくれてとても親切にしてくれたのがとても嬉しかった。そんなタイ人の自然な親切心に感謝した。

 

バンコクのホテルから写ルンですで撮った街並み。20年以上前!

バイヨークスウィート)

 

2週間程の初海外旅行が終わった。観光地はそんなに多くは回らなかったけれども、その国で見たアジアならではの活気ある雑踏やクラブで出会った人達から得た旅のスタイルなど、とても大きな宝物を私はこの旅から沢山貰った。

本当に感謝している。この時の出会いを思い出すと、今でも胸が締め付けられ目頭が熱くなる程に。

 

私はこの旅で得た知識を元に、実際に次の旅で実行に移せたのだから。

旅先でどんなに興味深く面白い情報を得ても、それを実行に移すかどうかは別だ。

でも、この時の私は実行に移すことが出来た。

胃腸が弱く怖がりな私が次はインド、ネパールへ行くのだから。しかも一泊500円の安宿に泊まるのだ。それほどに強い刺激を私はこの旅で受けたのだった。

 

この旅の全てに感謝します。

 

 

「ホテルアジアの眠れない夜」を読む春の夜

暑くて、埃立つ喧噪の旅が始まった。アジア諸国の湿気やトラブルを思い起こさせるタイトルがまた心ワクワクさせる。何事もスムーズにいかない旅こそ何故か興味深いものになるのだから不思議だ。

 

そしてなんと、著者の蔵前氏は海外旅行には全く興味がなかったのに、過労と失恋が引き金となってインドへ旅立ったことがバックパッカー旅の始まりだったとか。

三島由紀夫が「インドは呼ばれないと行けない」と言ったそうだが、きっと蔵前氏の魂はインドに呼ばれてしまったのだろう。とても運命的に。

何故ならばそのインド旅がきっかけで蔵前氏は旅行作家になったのだから。それを運命と言わずになんと言うのだろうか。

 

本書では蔵前氏が旅先で出会った一癖も二癖もある旅人たちが登場してくる。

ビンボー旅を執拗に自慢してくる旅人、着替えを持たない文字通り身軽な旅人、初めての長期休暇の十日間の旅を大切にしている旅人などだ。

そんなある意味まっすぐな人々を時に揶揄し、時に感動を貰ったりしながら出逢う人々と時間を共有して自分の中から湧き出てくるあらゆる感情を噛みしめながら蔵前氏の旅は進んで行く。

 

「人生は旅なのだ」誰かがそう言った。

 

日常からの脱出が旅だったのに、旅が長くなって行くにつれ日常化して行く瞬間、旅の目的が次の段階へと上がる。

本書は蔵前氏がそんな旅を通じて感じ取った魂の成長が軽快な文章と味のあるイラストで表現された旅エッセイ本なのだ。

 

1998年にインド、ネパールを一人旅した私としてはバラナシの朝のプジャの音色を、ヒマラヤが見えるナガルコットの宿から見た朝焼けを思い出さずにはいられなかった。

 

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蔵前仁一氏主宰の「旅行人」のサイトです。

ryokojin.co.jp

香港のガイド本を買って妄想する

 

沢木耕太郎の「深夜特急」のドラマを見ていたら香港に行ってみたくなったので、アマゾンでこの可愛らしい表紙の香港ガイド本を買っちゃいました。

(勿論、今のところ海外へ行ける目途はないけれども)

いいんです。ひょっとしたら、いつの間にか行けるようになっているかもしれないじゃないですか?

とにかく、色んなガイド本の中から「ことりっぷ co-trip 海外版 香港」を購入。

 

本書はとにかく写真が綺麗で見やすい。女性が好きそうなオシャレ雑貨やスイーツが有名なカフェが盛りだくさんで載っています。

 

もちろん、観光マップ付きですし、空港から市内への行き方や困った時のイエローページもあってとても便利です。

ちなみに私は過去にたった一度だけ香港の空港をトランジットで利用したっきりなので、香港は未体験!

なので、初香港は重慶マンションにあるホテルに泊まって洗いざらしの白いシャツで、ネイザンロードをぶらぶらと歩いてみたいですね。

 

ことりっぷさんの本はこちら。

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また旅へと向かうために

inidia,ccu,1998

旅に出たい!!今すぐにでも!!とまるで何かの発作のように湧き起るこの気持ちは一体どこから来るのだろう?どこに隠れていたのだろう。

もう、20年も海外へ行っていないなんて、行こうと思えば行けたのに、私は一体今まで何をしていたんだ。なのに今、とても激しく旅に出たいと思っている。50を過ぎコロナ過もだいぶ落ち着いた今、そう願っている。

 

なんだかとてもセンチメンタルな気分だ。

春だからかもしれない。

 

中年の危機の方がしっくりくるのかもしれないけれど、また旅へ出ようと思い始めた。

このブログのトップに貼ったカルカッタの写真のキングコングはもういないだろうけれど、サダルストリートのブルースカイカフェはもう安くなないだろうけれど、長い年月を経たかつて旅した街を見に行きたい。

 

あぁ、YouTubeで「深夜特急」なんか観るんじゃなかった。

 

また旅へ行けるようになることを願って。

 

このブログでは、過去の旅を語りつつまた旅へ出るために買ったガイド本のレビューなども書いて行きます。